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草木と風((進撃の巨人 リヴァイ))R18

第19章 溝






兵舎に誰もいない日中。

訓練から外れてきた。



アンの部屋を訪ねる。



『俺だ。

様子はどうだ。』




応答はない。




『アン。大丈夫か。』




名前を呼んだ時だった。


ドアノブがカチャッと動いた。



『兵長…。』



少し開いたドアから、か細い声と、


すっかりヤツレタ姿のアンがいた。


『おい。本当に大丈夫なのか。』




『大丈夫です…。』


あんなに元気だったせいか、物凄いギャップを感じる。



『ずっと、部屋にいるんだろ。

外に出た方がいい。』




『でも…1人じゃ怖くて…。』






話を聞くと、どうやら男の恐怖症になり、

女同士だけでも不安だったと。


本人は外へ出たい気持ちはあったそうだ。





『どこへ行きたい。』



『え…。』



『どこへ行きたい、連れて行ってやる。』




『兵長が私を…?!』

『そうだ。』



『本当ですか?!』


『ああ。』



沈んでいた顔が少し明るくなった。






『街へ行きたいです。』



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