第8章 世界が色付く
「ぅ…」
「あ、目が覚めた?大丈夫?」
「ぁ…私…」
「いきなり気を失ったんだよ」
…キャパオーバーで倒れるなんて…
…そもそも先刻の治さんの言葉は…
「ぁ、の」
「如何したの?」
「好き、とは」
「恋愛感情だよ」
すっと頰に掌で触れられる。
「蓮、君が好きだ。私と心中してくれないかい?」
「心中する相手に私を選ぶならお断りします」
好きと云われて嬉しかったけど心中相手としてなのか。
急速に心が冷えていく。
「…マフィアに戻ります」
「え⁈一寸蓮ちゃん!!」
ガシッと腕を掴まれ治さんの腕の中に入れられる。
「離して下さい」
やけに低い、感情の籠っていない声がでた。
「ごめん、蓮ちゃん、聞いて。お願い」
好きな人からのお願いを、切に願う声を無視出来なかった。
何年私はこの人を想っただろう。
五年、か…
「…何ですか」
「愛してる。先刻のは照れ隠し、私と生きて欲しい。蓮見蓮さん、貴女が好きです」
「…」
「蓮…」
「ナンパするのは構いません。私が一番ならいいです。心中に誘うのも、止めません。でも、私を捨てないで下さい」
「…君は寛容なんだね」
「多分キレたりすると思いますが、それでもいいなら」
「一番は君だよ。白ちゃんの事は憧れだって云っただろう?君がいいんだよ。蓮」