第3章 探偵たちの夜想曲
「朝からこのニュースばっかだな…」
『そうですね…』
「仕方ないよ…この事件が起きてから1週間経ってないし…銀行員の1人が撃たれて亡くなったらしいし…」
「ああ…カッコつけて強盗犯に刃向かったから殺られちまったんだったか?」
「刃向かったんじゃないと思うよ…
その時、銀行にいたお客さん達の話だと…こう両手を挙げて"OK!もうやめてくれ"って犯人をなだめようとしてたみたいだし…」
そう言いながらコナンは両手を上げて見せた。
「でもそれで逆に犯人の怒りを買って撃たれたんだから同じだっつーの!」
「しかし、悪いことはできませんねぇ…
強奪した2億円のほとんどは本店から搬入されたばかりの新札で、紙幣の記番号がまるわかりだったんですから…」
小五郎がコナンと討論をしていると、エプロンを身に纏いサンドウィッチを乗せたトレーを持った男が後ろの扉からしれっと話しながら入ってきた。
「ああ…使うに使えねぇ金をつかまされたその強盗犯が捕まるのも時間の問題…–––––って何でお前がここに!?」
小五郎は突然の安室の登場にびっくりしていた。
「お世話になっている毛利先生にサンドイッチのサービスを!
もちろんお代は僕持ちで…」
ニコッと満面の笑みで小五郎に向かってそう言う安室。そこで後ろにいたみきに気付き声を掛ける。
「おや?あなたもいたんですね、みきさん」
『え、ええ…』
安室の突然の登場に小五郎だけではなくみきも同様に驚きを隠せないでいた。
「なんだ?お前ら知り合いだったのか?」
「先日ポアロで仲良くなったんですよ、ね!みきさん」
「ええ、そうですね…」
みきは少しどもりながらもなんとか返事をした。
そんなみきの反応にコナンは疑問を感じていた。