第7章 水底に落とす気持ち
もし、もし一緒に過ごせたら
この先一緒にいることが出来るなら、私は自分を取り繕わずにいられるのかな。ダメな所に気づいてそれを直しながら...良い方向へと変われる...なんだかそんな気がした。
もちろんそういう理由だからそばにいたいと思うんじゃない。わたし、わたしは...
「ね、次はあっちのフロアを見てみようよ、何か催し物をやっているみたいだよ!」
「ふ、はは」
「え、なんだい?」
「いえ、ふふ、長船さん本当に楽しそうだなあ、可愛いなあって」
「可愛い、はやめてくれないかな...格好良いって言われたいんだけど」
「...まあ、君がやっとちゃんと笑ってくれたし今回はいいよ」
ちょっとだけ眉を下げて困ったように笑う姿は取り繕わず、駆け引きをするための顔や態度ではなくありのままの、なんの計算もない姿。
私のことをびっくりするくらい良く見ていてくれてそっと元気をくれる。 もしかしたら、それすら無意識なのかもしれない。優しい、優しい人。
「...長船さんの、そういうとこ...割と好きですよ」
「え?何か言ったかい?」
「いいえー!長船さん!イルカショー始まる前に色々回りたいです!」
「OK!じゃあ行こうか」
そんな彼だからこそ、私はそばにいたいのだ。
はっきりとそう思った。