第7章 原作編《夏休み》
轟SIDE
口付けを交わしていると中が軽く締まる感覚がした。
そのせいでこのままでは満足できなくなり。
何の前触れもなくソレを少し引いて中を突いた。
いきなりのことに驚いたのか唇は放され。
繰り返す動きに合わせて再度嬌声が上がり始めた。
「ひぁッ…ん…っ」
さっき言われたことを覚えていたのか無意識なのか。
縋り付くように俺の頭を抱きかかえて。
そこに口を押し当てることで声を抑えようとしている。
「ふッ…んん゛…っ」
そうしたことで俺の顔は紫沫の胸に埋まる形になった。
目の前に差し出された誘惑に駆けられ。
一度強く吸い付いてから舌を這わせる。
相変わらず花火を打ち上げる音は響いているが。
どんなに抑えようにも零れる声と結合部からする卑猥な音を耳は捉えていて。
ここにきた目的のことなどとうに忘れて。
ただ互いを感じることだけに夢中になっていった。
身体の熱が上がり続けじんわりと滲む汗。
屋外だということも厭わずに行為は激しさを増していく。
「っァ…ん……ふぁッ」
何度も奥を突いていると紫沫の押さえている筈の口から甘い声が漏れ出していた。
俺自身も動く度に絡みついてくる中の感触に少しずつ余裕を奪われていく。
一際膨れ上がった自身に限界が近いことを予期する。
「っそろそろ…」
「ぁッ…わたしも…もぅっ…ンっ」
絶え間なく続く快楽が最高潮に達する直前。
同じく昂ぶった気持ちが口をついて出てきた。
「紫沫…好きだぞ」
「っ好きぃ…しょうと、くん…ッ」
その言葉に呼応するように勢いよく最奥を突けば。
一気に締まった中に挿れたまま欲を吐き出した。
その余韻に浸る中、頭の隅の方でクラスの奴がくれたものがあってよかったと思った。
脱力した紫沫が落ちないよう支えていると小さく声が聞こえてくる。
「…花火、終わっちゃったね」
「みてぇだな」
「来年もまた来ようね?」
「ああ」
こちらに向けられた顔に不安の色は全くなくて。
寧ろ笑みを浮かべていた姿を見て俺は心の中で誓った。
もう二度と紫沫から離れないと。
何があってもこの大切な存在から手を放さないと。
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