第4章 オレンジ色の
side翔
「じゃ、お先!」と言い残して深雪たちが店を出てから約10分。
店内には数人の店員と一組のカップル。
今日は妙に客が少ない気がする。
少し重たいような、不思議な空気でどうすればいいのかよくわからない。
隅野さんは2人が店を出てから言葉を発していない。
何を話せばいいのか、正直よく分からない。
俺の友達に女の子はあまりいない。
幼馴染みの深雪とその親友の唯くらいだ。
改めて考えてみると、もう少し社交的になった方がいいのかもしれない。
いや、今でも十分社交的な方、だよな?
何でこんなに女友達がいないんだっけ、別に苦手な訳じゃないのに。
隅「あっ...」
隅野さんが思い出したような声を出した。
翔「どしたの?」
隅「宿題、机の中に入れっぱなしにしてたの思い出した...。」
翔「あー、やっちゃったね。誰先生?」
隅「森先生...」
翔「…それはまずい、取りに行こう。モリリン、宿題忘れると本当面倒臭いから。」
隅「うん」