第20章 ポジティブに
杏菜が死んでから、約1週間ほどたった、朝。
私は早めに学校に行き、誰も居ない教室に一人、杏菜の席に座った。
杏菜の席には、花の入った花瓶がおかれており、キレイな花かゆらゆらと踊っている。
時間がたつにつれ、杏菜との思い出が頭に蘇り、目から、涙という血液が溢れそうになった。
ガランとした誰も居ない教室だからできることだ。
私は杏菜の机に、四つの葉のクローバーを彫ろうと思った。
別の場所に行っても幸せでいてほしいという願いを込めて。
本当はダメな事だが、そんなことは私にはどうでもよかった。
私は筆箱からカッターを取りだし、机を彫り始めた。