第5章 Chapter5【福引券で運試し】
「……うーん……」
日が沈み始めた頃。
仕事が終わって家の前まで着いた私は、その場で思わず唸ってしまう。
ーーーー福引券で二等、遊園地のペアチケットが当たった私。
あの後石田さんと話し合った結果、やはり当てたのは私だということでそのまま頂いてしまったのですが……
「毛利さんが家に来て、幸村さんに佐助さんも……そして、福引で二等賞…………まるで、漫画やゲームの世界みたい……」
着実に非日常へ染まっていく、私の平凡だったはずの日常。
極々普通のOLだった自分が何だか少しだけ懐かしく感じてしまう。
……まあ、流石にこれ以上おかしなことなんて起きないだろうけども。
というより、起きないでほしい。切実に。
そんなことを考えながら、私はゆっくりと玄関の鍵を開け、家の中へと入った。
「ただいーー」
「遅いわ」
「へっ?……も、毛利さん……?」
「……………………」
家に入るや否や、腕を組みながらこちらを睨む毛利さんと遭遇した私。
……何故だか、物凄く怒っているように見えるのは私の気のせいだろうか?
「毛利さん?どうかしましたか……?」
「………………」
「……もしかして、お土産のプリンを待っーー」
「貴様、我を何だと思っておる?真田と一緒にするでないわ」
毛利さんが怒っているのはプリンを少しでも早く食べたいからだと思ったのだが、やはり違っていたらしい。
なら、一体何故毛利さんは怒っているのだろう?
「……………………」
じっと毛利さんを見つめながら考えてみるも、怒っている原因が分からない。
……かといって、この怒りの原因が分かるまではこの先へ通してもらえないようだ。
「毛利さん、あの……」
「それぞ」
「…………はい?それ、とは?」
暫く互いに無言のまま見つめあっていた私達。
その沈黙をどうにかしようと口を開いたのだが、突然毛利さんが私に「それだ」と告げる。
「貴様、よもや分からぬと申すのか」
「は、はい……すみません……」
「………………もう良い。食後、我の部屋に来るがいい。貴様に話がある」
「えっ?あの、毛利さん……!?」
そう言いながら毛利さんは、私の返事を聞かずにスタスタと自室へ向かってしまった。