• テキストサイズ

拾われました【歌い手】

第1章 出会い


母「貴女、この点でよく帰ってこれたわね!」

あぁ、まただ

母「95点ですって?何で貴女は完璧じゃないの?!ねぇ?!」

バンッ

母「この間は98点!何で貴女はいつもこんな点ばかり!!」

バンッ

母「何で完璧にできないの?!」

一言一言言うたびに殴られ蹴られる

おかげで傷や痣を隠すのが大変だ

これを世間では虐待と言うのだろう

そもそも10歳の私に高校生と一緒の塾と一緒の問題で

90点台を取ることすら普通なら無理だろう

もし100という点を取ったのならば

次は大学の問題だろうか

私は友達と遊びに行ったことや

家族で遊んだことすらない

しばらくすると父親が帰ってくる

母親は構わず私を蹴り続ける

父親は母親を止めることなく転がっている私を嘲笑う

そして遂には母親と一緒に私を蹴る

暴行は点数と関係ないのではないか

それとも両親は暴行ではなく躾として行っているのか

そんなこと私には分からない

遂に暴行という名の躾が終わる

お風呂に入れと指示をされ

私は指示に従う

あぁ傷が増えていく

痛む傷口に触れながら鏡に映る自分を見る

黒髪に赤い目

容姿は父親や母親などに暴行される

原因の一つでもある

皆私の容姿を見て

怪物みたいだのなんだの言う

あぁそうだこんなに

長く風呂場に居ると叱られる

最後に湯船に使ったのはいつだろう

100点を取らなければ湯船にもつかれない

まぁ80点台を取ると風呂場にも入れないから

湯船につかれないよりは良いと思う

お風呂から出てくると

テーブルには二人分の晩ご飯がある

あれは両親のだ

私の晩ご飯は自分で作る

これもまた100点を取らなければ

晩ご飯は自分で

ご飯を食べたらさっさと自室に向かう

部屋をくれるのは有難い

だが理由が怪物と一緒に寝たくない

という理由で部屋を与えられた

音を立てずにドアを閉めて布団に飛び込む

秀華『お疲れ様秀華』

これが家に帰ってきてから初めて発した言葉だ
/ 34ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp