Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第6章 眼鏡と読書が趣味なんです。【沖矢昴】
動けず固まっていると、後ろで結んでいた髪を解かれた。
解かれた髪を沖矢さんが指で梳いて、撫でてくる・・・
これって・・・
彼の方を向かされ、冷蔵庫の扉に身体を押さえつけられた。
「なぜそんなに驚いた顔をされているんですか」
「なぜって・・・キス、するから・・・」
「同意の上だと思ってましたが・・・女性から家に誘われたら男は誰でも期待してしまいます」
「でも今日初めて喋ったばっかりで・・・」
「初めて喋ったばかりの僕を家にあげたのはあなたです」
「でもまだ心の準備が・・・」
「では今から準備してもらえますか?」
再び口付けられて、眼鏡の端と端が少しぶつかる。
頭部を撫でられ、物凄く近くで見つめられて、息が止まりそうだ。
・・・こんなの急すぎる。
でも、髪を撫でていた手に耳をくすぐられ、首筋をなぞられている内に、カラダの中心に小さく火がついたように、熱くなってきた。
「準備ができた、と顔には書いてあるように見えますが」
「そ、んな・・・っぁ・・・」
腰を抱かれて、耳にキスをされた。
「そんな悩ましい顔で弱々しい声を出して・・・」
薄く開いたままだった唇を塞がれ、沖矢さんの舌が入ってくる。
柔らかい舌の感触が、頭の中とカラダの芯を蕩けさせていく。
もう、どうにでもなればいい。
このまま・・・
沖矢さんを見上げると、薄ら開いた目元から覗く瞳に見下ろされていて。口元には少しの笑み。
見たことの無い彼の表情に、クラクラ目眩を起こしそうになる。
頭のてっぺんから足の先まで血が流れているのハッキリ感じる位、今すっごくドキドキしてる。
ベッドに座らされて、頬に手が添えられて。
「似合っていますが・・・外しましょうか」
眼鏡をスっと抜かれて、視界が少しぼんやりする。
「さん、目は悪いんですか?」
「ある程度は見えます・・・」
彼も眼鏡を外した。
わわわ・・・これはこれで格好良い・・・
「だから眼鏡してない沖矢さんも素敵なのは、分かります・・・」
「おや、そうですか・・・実は僕の眼鏡も度は入れてないんです・・・さんの可愛い唇もよく見えます」
再び頬に手が伸びてきて、唇を親指で撫でられる。
「柔らかくて・・・最高のデザートですね」
また唇を塞がれた。