第3章 洛山高校男子バスケ部
流石に試合最中の写真は無いけれど、試合後を取材(というよりただの質問)をされて部員が並んでいる写真が中央に大きく載っていた。
"中央に座っているのはキャプテンの赤司征十郎君、現在一年生"…
あまりにも大人びているから三年生かと思ったけれど、写真に映ったイケメンキャプテンはなんと私と同い年。
この人と比べると、自分はまだまだ幼く見えるだろうなぁと少しだけ悲しくなった。
征十郎…せい…
…まさかとは思うけれど、実渕さんが"せいちゃん"と呼んでいるのはこの人の事…!?
確かに女の子ウケが良さそうな端正な顔出しで、笑顔も優しい。
只でさえ近づきにくそうな見た目をしているのに加えて、これだけ大勢の部活を仕切っている立場である事が余計に彼を、周りとは一線離れた存在にさせてしまっているのだと思った。
それでも赤司君は、後ろでひきつった笑顔をしている人がいるなかで自分が見られているという自覚をしているように、凄く自然に微笑んでいる。
まるで、今がシャッターチャンスだ。と言いそうな具合で。
そしてその隣で実渕さんも凛々しく微笑んでいる。
私の頭を撫でてくれた時とは少し違う、男性特有の力強い眼差し。
思わず先ほど赤司君を見て惚れ惚れとしていた女の子達のようにため息が出てしまう程に、その姿は美しい。
…やっぱり、この人を描きたい。
太陽にキスをするように薄く開かれたあの唇から溢れるあどけない声が、もう一度聴きたい。
寝込みを襲おうなんて恐ろしい事はしたくないけど、相手からしたらそれとことは同じ事だ。
そうして、写真の中の実渕さんを見つめていたおかげでホームルームに遅刻した事に気づくまで、あと三秒。