第11章 珪線石の足音
「ま、かと言って俺に十歳の子供を犯す趣味は無いがな?」
『……うん??』
「とりあえず一回は真っ当に育てるから。絶対」
『ま、真っ当???』
「そう、普通のガキの生活とか送ったこと無いだろ?」
『それって今と何が違うの?』
「あ〜?……俺が養『もう養われてる』じゃあほら、あれだ。保育園とか」
え、と声を漏らして尻尾が止まる。
それから瞬時に狐耳が垂れてきて、みるみるうちにしょげていくのが分かって顔を上げさせると、何ともまあ寂しがり屋のリアちゃん十五歳が泣いてくれてしまっているじゃないか。
「もしかして保育園嫌?」
『だって中也さんと一緒にいられないんでしょ』
「お友達と遊ぶとか『ち、中也さんはぁ……?』おまえほんと俺のこと好きだよな」
うん、と珍しく素直に甘えられて俺の中の常識が吹き飛ばされた。
「そうだな、そういうのはリアが行きたくなったらにしよう。おまえは俺の方がいいんだもんな〜♪」
『中也さんと一緒じゃないとリアしんじゃうから』
「分かった分かった」
『冗談だと思ってる!!』
「思ってねぇよ、可愛いなと思ってるだけで」
『思ってるじゃん』
「全然違ぇだろ、ほんと可愛いなおまえは……まあ安心しろ、俺がいるからには他の誰にも好き勝手させねぇよ。リアのシークレットサービスが最強だってことを末代まで知らしめてやるさ」
『ストーカーの間違いじゃないの』
「いいじゃねえか、好きだろ?」
『…………指切りしてくれたら、もっといい』
お望みのまま、小指を差し出して指切りすると、更に彼女が甘えてくれた。
『手……繋いで…………キスしてくれたら、もっと……もっと、だいすき』
「あんまり煽んないでくれる?手出したくなる」
『だ、出してもいい「病人」……でも中也さんは、キスだけで満足させてくれるもん』
よく分かってんじゃん、と撫でてから指を絡めて手を繋ぎ直し、触れるだけのキスを何度もする。
ゆったり、長く、彼女の身体に負担をかけないように。
『ぁ、みみ……♡』
「好きだよなあ、ここ撫でられんの。腰揺れてる、可愛いやつ」
『ち、ちゅうがいい……っ、中也さんにイかせてもらうの、全部ちゅうがいい♡』
「何そのお願い、全部叶えるけど。俺にいっぱいキスしてもらおうな〜♪」
『ひ、ぁ……♡…………イ、イく……っ』
「いいよ、イって」