第8章 いつもの通りに
「え~、ただいまより、全校集会を始めます。」
教頭先生の挨拶で始まった全校集会。
「もうじき冬休みに入ります。でもその前に1つあるのが、期末試験です。え~、ここで赤点を取ると、冬休み中に出てきてもらいますからね~。」
「…」(期末…試験…。)
その事を忘れていて、そればかり考えていた。気づけば全校集会は終わっていた。
「菜月?教室戻んぞ。」
「!…あ…うん…。」
すっかり忘れていた。
「き、期末試験って…赤点って何点から!?」
「確か…45?知らねぇ。」
「…春樹は去年赤点だったよね?」
「あぁ、全部な。授業態度Cで提出物もCでアウト。」
「…」
春樹は実にもったいないことをしているのだ。
授業態度を直し、提出物をしっかりと出せば、評価はA。しかも彼は頭も良い。
テストもできるのに……。
「…ん、そういえば、この前の期末の時、名前書いてなくて0点になったことあったよね?」
「あぁ。まあ忘れてたんだし仕方ねーよ。」
「…」(そんなあっさり……。)