第2章 想い
何を話せばいいのかわからず悩んでいると、不意にちゃんが話しかけてきた。
「太輔くんって、美人さんですよね」
太輔「はへっ?」
ちゃんの言葉に、思わずコーヒーを吹き出しそうになった。
「あっ、変な事言ってごめんなさい。初めて会った時も思ったんですけど、美人さんだなぁ〜って…………男の人なのに変ですよね(笑)」
ちゃんは恥ずかしそうに下を向いていた。
太輔「あっ…………まぁ………ありがとう///」
返答に困り、俺は頭をポリポリ………
「私を守ってくれてた太輔くんを見てて、そんな事思ってたんです。ごめんなさい(笑)」
太輔「ははは………(苦笑)ところでちゃん、俺、ちゃんと仲良くなりたいから、そんなにかしこまらなくてもいいよ」
「あ、じゃあ………」
太輔「いつもこの時間に帰って来るの?」
「うん、大体いつもこの時間かな」
ちゃんとの会話は、凄く楽しかった。
時間を忘れるくらいに………
ふと携帯が鳴っていることに気づいた。
「太輔くん、携帯鳴ってない?」
太輔「あ、本当だ。出てもいい?」
「うん」
太輔「もしもし……」
渉『太輔!今どこ?とっくに集合時間過ぎてるよ!』
太輔『うわっ!ごめん、ワタ!すぐ行く』
あまりの楽しさに仕事の時間が過ぎている事に気づかなかった。
太輔「ちゃんごめん。俺、仕事に行かなくちゃ!」
「私も気づかなくてごめんね(汗)」
俺は慌てて仕事に向かった。
俺の後ろ姿を見送るちゃん。
チラッと振り返ると、俺が買ってあげた缶コーヒーを握りしめ、心配そうに見送ってくれていた。
太輔「後でメール送らなきゃな」