第4章 4話
保健室にて
(相澤)
「...校長の最後のだけは信じたくないな。」
(リカバリーガール)
「確かにあの子は特別さ。
私達も注意しとかないとね───」
相澤とリカバリーガールの声が廊下から聞こえた。
ガラガラ
(リカバリーガール)
「おや、どうしたんだい。さっきので怪我したのかい?」
(爆豪)
「いや、俺じゃねぇ。1-Aの相澤が───」
(相澤)
「彩夏──ッ相澤が?!
どうした、何かあったのか?!」
(爆豪)
「いや、食堂でフラフラしとったから支えてやっただけだわ。
サイレンなる前に気失いそうだったからな。」
(相澤)
「...そうか。ありがとな、爆豪。
ばぁさん、いつものやつ頼む。」
(リカバリーガール)
「はいよ。」
リカバリーガールが彩夏に処置をしている間、相澤は爆豪に質問し始めた。
(相澤)
「相澤は何か言ってたか?」
(爆豪)
「謝っとった。お父さんお母さん姉さんごめんなさいってよ。
あと、兄貴か?○○にぃ助けてって言うとったわ。」
(相澤)
「ッ!!...そうか。
爆豪が最初から一緒にいたのか?」
(爆豪)
「...違ぇ、最初一緒にいたのは半分野郎だ。」
半分野郎...?と一瞬考えたがすぐにわかった。
(相澤)
「轟か...。なんであいつが轟と...?」
(爆豪)
「ンなの知らねぇよ!!!
聞きたいことがあるんだとよ!!!」
(相澤)
「聞きたいこと...
そうか、ここまで運んでくれてありがとな、爆豪。
もう大丈夫だから教室戻れ。」
(爆豪)
「チッ...クソッ」
ガラガラ
ピシャン!!!
(相澤)
「ばぁさん、彩夏はいつものやつか?」
(リカバリーガール)
「そうさね……また、思い出してるんだろうね。
じきに目が覚めるよ。そばにいてあげな。」
(相澤)
「...あぁ。わかってる」
彩夏が倒れた時に自分が居れなかったこと、彩夏が苦しんでる時に助けることが出来なかったことを相澤は悔いていた。
気を失いかけながらも自分のことを呼んでいた、助けを求めていた、たった1人の大事な人を助けれなかった。
後悔の念が相澤を渦巻いた。
(相澤)
(また、助けれなかった。)