Sapphire〈小悪魔系男子にご注意asobase?〉
第71章 父との再会
……ガラ……
開いたドア
一気に妃那ちゃんの顔色が悪くなって……小刻みに震え出して……
抱きしめてあげたいけど……
智さんが、妃那ちゃんを包み込んでくれて。抱きしめてくれているから
二人を見つめていたら、二宮さんが私を
カズ「大丈夫?」
って
「大丈夫」って答えたいけど、大丈夫じゃ無いみたいで
頷くのが精一杯の私を
二宮さんが、肩を抱いてくれて……
私も妃那ちゃんも、落ち着く事が出来たんだと思う
フローリングの床、私たち四人の目の前に、あの人一人が座る状況で
父「本当にすみませんでした」
翔「何か言い訳は?」
その時の私はなぜか冷静で……
父「ありません」
翔「……私は貴方と性格が似ているから……なんとなく分かっちゃうというか。人に理不尽な事で責められたり、疑われたりするのは辛い事だったと思います。社会の中で上手く生きられない貴方を見て、思っていました。けれど、家庭の中で、貴方達親が……少しでも……相手の事を尊重して。許し合う。心の広さがあったなら……『タラ』『レバ』は無いんです。昔の事を思って恨むより……私は今幸せです。将来の自分の夢も見つけることが出来ました。だから心配しないで下さい」
妃那「私達はどうにか……貴方達が仲良くならないかと思い付く事を考えて。私が努めて明るくしていれば、家庭が良くなるんじゃないか? と。それが貴方には、母に似ている。煩わしい。そう感じさせたかもしれません……」
父「貴女達は……」