Garnet 真恋 ~初恋と宝石Ⅲ~ Kazu.N
第51章 また話しよ?と逃げてゴメンね
(カチャ)
ピクッ
智「アハハ!」
リビングの扉が開いて、思わずピクッてしちゃった私を大野さんが笑って
ムッとして軽く睨むと
智「ゴメン翔ちゃん」
男性「なんだもう仲良くなったのか智。翔? 久し振りだね翔。会いたかった……」
女性「翔ちゃん元気だった?」
50代前半? の男性に……40代後半? 50代前半?
私の母と同じ位の女性……父の……再婚相手
大野さんの正面のソファに腰掛けた人……
父と私の正面に座った|女性《ひと》
父「良く見つけてくれたね。智ありがとう」
智「あるキッカケでね潤くんに依頼してさ、やはりそうだった。俺さ自分の事しか考えてなくて。とにかく逃げ出す事しか考えてなくて。ごめん翔ちゃん」
仁「お前は悪くないよ智。勿論翔も。悪いのは私と亜季恵だ(翔の母親)翔? 私は本当に翔と美樹と暮らしたかったんだよ?」
中3の冬、前にいた施設から母の所へ
けど今の施設に入る方向で話が進んでいた時に父から連絡が来て
ここにお世話になる……?
イヤだった……
私は施設に入る選択をしたの。あの時……
この家じゃなくて……
もう7年以上前の話だよ?
今さら……
本当今さらなのに
何で私呼ばれたの?
一緒に暮らしたかったって……確かに
仁『又会えて……一緒に暮らそう翔?』
言われたけど……
父の言葉をそのままうのみには出来なくて……
差し出された手を離した……
けどあの時
本当に……そう思ってくれてたの?
※|仁《まさし》
|美樹《仁の妻》