Garnet 真恋 ~初恋と宝石Ⅲ~ Kazu.N
第115章 お付き合いさせて下さい
カズside
仁「さすが杏さんの弟さん。しっかりしてらっしゃる。杏さんが、我が大野家に嫁いでるとはいえ、弟の君がわざわざ挨拶に来る義理はないはずだからな。杏さんいい弟さんだね?」
杏「ありがとうございますお父様」
分かってたよ? そう簡単にさ、お許しが出るとかさ思ってなかったけど
前にさ、恋人未満という立場で挨拶しに来た時はさ…… 美樹さんのお陰もあって、
仁『和也くんは正直者だな』
って
好感触を得て…… けどさ
仁『翔ちゃんを泣かす様な事があってはならない。そんな事したら…… 別れさせる』
父親として当然だよね。そうおっしゃられてさ
カズ『大切にします。お約束致します』
そう約束したんだよな……
あの時はあの時、今は今
恋人未満と、恋人じゃ意味が違うもんな……
さっきまで和やかだった雰囲気が、その場にいる皆が固まってて
翔ちゃんは可哀想なくらいに…… 震えてて
美樹さんが一生懸命
美樹『大丈夫よ』
って声を掛けてあげている
そうだよ。大野さんに誤魔化したりする事はしないって…… さっき気を付ける。って約束したばっかじゃんか
俺が頑張らないと
カズ「本当に、こうしてお時間頂いた事、感謝しています。私はご存知の通り、一度結婚に失敗して離婚した人間です。お父さんが、不信感を持ちになるのは当たり前だと思っています。けれど、お約束致します。私は翔さんを心から愛していますし、一生大切にしたいと思っています。どうかお付き合いをお許し下さい」
翔「パパ、和也さんは本当に誠実な人です……」
瞬間、ポロリと一粒涙をこぼしてしまった翔ちゃん……
翔ちゃんにとって…… そこまで言うにはきっと勇気がいる事なんだろうな