第107章 命の誕生①

　智.潤side

　11/25（木）PM23:00過ぎ

　智「男って……こういう時何も役に立たねぇな……」

　潤「そして愚かだよな……」

　智「オイラ達の愛した女の子達は、揃いも揃って遠慮しいだから……せっかく『医者が立ち会い希望しますか？』って確認したのにさ『平日だから……仕事を翔和を優先して』 気を使い過ぎなんだよ……真希のヤツ」

　潤「ちなもだ。理事長の伯父貴がああいう人なのが原因だろうけど…… 平日に学校休むなんてダメ! 『潤奈を優先して!』ってさ……」


　潤side

　病院の待合室で俺は考えてた

　出産.育児.特に出産となると、女性に負担がかかるのは確実で

　そうだよ…… こんな大事なコト。もっときちんと考えなきゃいけねぇのに……


　妊娠した時、潤奈に弟か妹が出来るってすげぇ喜んだ千奈美。けど良く考えたら、生まれる時、潤奈はまだ一歳2ヶ月で……

　いや、妊娠直後から、潤奈をお世話しながら、自分の身がままならない事を時に泣いたりして……

『好きだから』で突っ走る男はバカだよな

　もっと色んな事きちんと計画してれば……

　って……

　本当反省してるんだ


　智side

　病院から内線連絡が入ったんだ。許可を貰ってて待機しているんだけど……

　同じように連絡の入った潤の場合、伯父さんのイヤミ攻撃に耐えて……


　オイラ考え無しだったよね？　子供が生まれる事、喜びながら、けど同時に不安そうなのも気付いてたよ？

　そりゃそうだよね。だって翔和は赤ちゃん生まれた時まだ一歳2ヶ月だもん。

　幸いって言い方オカシイけど、なんたってオイラの両親と松本家の両親、真希、千奈美さんの両親が……

　子供達には……サクラ姫にアザミ姫、子供達をお世話してくれる家族が沢山いてさ

　ありがたい事にゆなちゃんのママが

　しず『私が翔ちゃんとゆなの事見てますから』

　そのおかげで、翔和と潤奈ちゃんの事も任せて、真希に付いて居てあげられるんだけど……


　智「今日明日生まれるとは限らないからこれからの事……」