第2章 【裏】気のままに/海
「ねぇ、のぶ」
「ん?」
「好きになってくれてありがと」
部活仲間であるのぶと恋人になれるとは思わなかった。最初に告白した時も驚いた表情は見れたけど、すぐにいつもの笑みで応えてくれた。
「どうしたんだ、いきなり」
「日頃の感謝をお伝えしたくて」
「俺もおんなじだよ。ありがとう」
恋人になって何が変わるとかそんな急に起こらなくて、どうしたらいいのかわからなかった。でも、のぶは受け身かと思えば行動をしてくれたこともあった。それが嬉しくて、恋人になれた実感が湧いてきた。
「うん。私は幸せ者だよ」
そのおかげで恋人だからって何かを無理に変える必要はなくて、お互いのペースでいいんだってのがわかった。