第1章 不思議な桜
と部長との追いかけっこはなかなか校内で名物らしく、
「去年から名物じゃん!」
と言っていた菅原に自分には関心が全くなかったのだなとしみじみする。
「はは、宮田またかわされてら」
「そっか、菅原同じクラスか」
と窓辺で宮田と苗のやり取りを見て話す二人。
「そ。宮田は結構後輩ちゃんの事かっててさ、今年も担当っぽいな」
と菅原が笑う。
「しかしまぁ、何をあんなに逃げるのかねぇ」
と菅原。
「やりたくないんだろ」
「なら辞めればいいじゃん?」
「辞めたくない理由があんだろ」
「理由って?」
「俺が知るかよ」
と笑い返す。
そんなことより、今は自分達の事を考えないとだろう。
クセのある一年に、クセのある二年生、引きこもってる三年もどうにかしたいものの、
「結局、本人のやる気次第だよな」
と劇部のやり取りを見守った。