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【HQ澤】不思議な桜

第5章 進展?


と苦笑すると
「劇部との間だと思うから」
と一瞬、劇部とどこの間なのかと考えて
「ここか」
と澤村の答えをきくなり照れる名。
いつもの場所は体育館から少し遠く、けれども演劇部には近い場所。それは名の都合なのだから仕方ないと思っていた。
なのに、
「間じゃ、ここになるよな」
と笑えてしまう。今では宮田よりも自分との距離を優先してくれている。
(変な感じだ)
後輩になつかれるのとも少し違った感情。
その後も照れっぱなしの名を見て、嬉しく思っていた自分を思い返しては
「澤村ー、気ぃ締めろ!怪我すっぞ!」
「すみません!!」
と烏養に注意される澤村を見て
「大地が珍しい」
「今日ずっと上の空だな」
と心配する部員達。
そんな心配をよそに、待ち合わせ場所が変わり、日々部活前の二人を見ていれば自ずと
((大地(さん)にも恋?!))
「彼女ぉぉぉぉ!」
と叫ぶ西ノ谷に、
「かっけぇぇぇぇ!」
と叫ぶ日向。
「騒ぐなよ。うるさい。」
そして、ぴしゃりと菅原に止められれば
「だってほぼ毎日っすよ?!」
と返され
「そうだけどさぁ」
と渋々肯定すれば
「まぁ、少し寂しくはなるわなぁ」
「なぁ。自分自身にも寂しいっ!」
と一緒に遊んでくれなくなる不安と自分の身の不安が一斉にくる。
「大地に遊んでもらえなくなっても一緒に遊ぼーなー」
なんて言えば
「出来たとしてもそこは変わらないだろ」
と笑う東峰に恋愛はそんなに甘くないぞ!と思う菅原。
それからしばらくして、ベンチには澤村だけの日が続き、ある日、また一緒に居るところを見たと思えば全く会わない様子が続いていた。
「だ、だだ、だ、だ大地さん!!!」
そんなある日、罰ゲームになった日向が部活の休憩中に澤村を呼ぶ。
いつもと違う様子、後ろでは面白そうに笑う後輩達に何かあると察する澤村。
「最近、か、彼女とは!ど、したんです、か!」
なぜかお辞儀と共にきく日向の心臓は馬鹿な事をきいて部長に怒られるという恐怖感でいっぱいいっぱいだ。
「・・・日向」
と呼ばれ顔を上げれば、笑顔だが
「誰に言われた」
と黒い空気に、後ろの後輩達も背筋が氷る。
そのあとは馬鹿な事を言ってないでと怒られ、呆れられ部活が始まり
「結局聞けなかったな」
「だな」
と意気込む後輩達に
「ほっといてやれよー」
と呆れる三年達だった。
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