第5章 「過去の真実」
~カルツ~
俺達は、一旦フロトさんの社長室に戻った。
まさか、本当にハルツが生きてたなんて、こんなにも嬉しい事はなかった。
しかし、連れ戻されてしまった。
フロトさんは、俺を見て言った。
「教えてくれ、君達に一体何があったのか………。」
俺は、黙っていた。
ジンとルカは、黙って俺を見ていた。
そして、俺は静かに息を吐き呼吸を整える。
俺の口がゆっくりと動かす。
「わかりました。……教えます。俺とハルツの事を………。」
俺は、過去の事を話始める。
あれは、5年前の事だ。平和に暮らしていた俺達家族。しかし、ある日の事。
俺とハルツが外で、遊んでいると突然あの……組織が来たんだ。
それも、武器を構えて俺達を襲うとしていた。
その時、俺達の間に父さんや母さんが庇ってくれたが……すぐに殺されてしまった。
俺達の目の前で………。
今だから言える事がある……あれは恐らく………ベレスだと……。
そして、すぐにハルツが覚醒したんだ。武器を構えたんだ。
『赤』と『青』の剣を………。
ハルツは、俺から離れてそいつに攻撃をしたんだ。
だが、結果は呆気なかった。そいつは、俺の後ろに立っていて、俺に剣を向けたんだ。
すぐにわかったよ、俺が人質だとな……。
ハルツは、大人しくして俺の命を助ける為に、命乞いをしたんだ。