第1章 1
カーテンの隙間から覗く光が眩しくて目が覚めた
カーテンを開けると隣の窓から
あたしの大好きな人が手を振っていた
窓を開けると
「おはよう聖奈」
と笑顔を向けてくる彼
「おはよ」
少し照れくさくてそっけなく返すあたし。
あのコンサート以来健人とはほぼ毎日顔を合わせている
「聖奈さ、今日ひま?」
なんてニコニコしている健人
こんな毎日がとても幸せ。
「暇だよ」
「今日Offなんだけど、デートいかない?」
デート
もう、何ヵ月してないことだろうか。
嬉しくて健人のほうを見ると
またニコッと笑う健人
「うん」
微笑みながら返事をすると
健人は嬉しそうにしている
きっとあたしのことをこんなに思ってくれる人は健人だけだよ。
「じゃあ、準備して家の前な」
と言って部屋に戻って行く健人