第23章 天使な小悪魔
主「おーい、凄く盛り上がってるね!」
蛍丸「あ、主だ。もうさ…国行は食べたらもうこの通り寝ちゃうし。長谷部と亀甲と加州がずーっと言い合いしてるしで、五月蝿いったらないんだ」
う…わぁー…。
蛍丸が視線を向けた先には、盃片手に熱弁を続ける三人の姿があった。
長谷部「貴様は主を何だと思っているんだ!?」
亀甲「ご主人様はご主人様さ。ああ、確か君達もご主人様の刀だったね?ふふ…でも僕は違うよ、僕はご主人様の奴隷だからね」
加州「意っ味分かんない!俺より少し先に来たってだけで、自分が主の特別みたいな言い方止めてくれない!?」
うん加州…奴隷ってね、そういう意味じゃ無いんだよ…。
あと、私はお前を奴隷にした覚えは無いぞ。勝手に人を危ない道に引き摺り込むのは止めようか、亀甲…。
突っ込む勇気が出ず、ただ黙って心の中で訂正しておいた。
蛍丸「皆勝手だよね、主は俺のなのにさ」
愛染「そうなのか?主さんモテモテだなっ。まあその…俺も主さんの事、好きだぜっ」
国俊、何処で覚えたんだその言葉…。
でも、シシッと歯を見せ笑う国俊の表情が子供っぽさをより引き立てて可愛らしい。
思わず国俊の頭へと手を伸ばし、撫でた。
国俊「…っ!?あ、主さん?」
頬を染めて、戸惑い気味に見上げて来る国俊が可愛過ぎて、このまま撫で回したい衝動に駆られるも何とか耐えた。
主「愛染もほたるんも良い子だぁぁ」
二人をぎゅっと抱き締めた。
蛍丸「主ってば。良い子なのは主の方だよ、ほら…いいこいいこ」
愛染「ふは、確かにそーだ。俺も主さん撫でてやるよ、主さんいいこいいこ」
二人の小さな手に同時に撫でられ、何とも言えない幸福感に包まれる。
はああ…こんな幸せがあって良いのだろうか…。