第15章 御馳走
燭台切「主、皆、お待たせ。聞けば今日此れだけの人数に増えたらしいから、赤飯を炊いてみたんだ。主や皆の口に合えば良いけれど…」
燭台切は持って来た食事を私、そして皆の前へと並べた。
見れば、燭台切の言った赤飯の他にさつまいもの天ぷら、松茸の茶碗蒸し、椀物は鞠麩と三つ葉のお吸い物。
え…此処は料亭か何か?
優しい出汁の香りに癒される…。
燭台切「馳走とは旬の品を然り気無く出し、主人自らもてなす事である。僕の前の主、伊達政宗公の言葉でね。
僕も折角人の身体を得たんだ、主や今日から御世話になる皆の疲れを少しでも癒し、もてなしてみたくなったんだ。」
主「松茸にさつまいも…そっか、もう秋だもんね。全部キラキラしてて、私の料理と全然違う」
蛍丸「主の作るご飯、美味しいよ?」
加州「俺達は食べたもんねっ」
亀甲「ふふふ、ご主人様が僕に気持ちを込めて作ってくれただなんて…高まってしまうよっ!」
自慢気に口々に述べる三人が可愛くて、胸がきゅんとする。
でも…見れば見る程美味しそうだ!
主「ほらほら皆、折角燭台切が作ってくれたのに冷めちゃうよ!食べよ?」
見れば皆の前には既に食事が並べられていて、燭台切も腰を降ろしていた。
一つ頷き、ぱん!と手を合わせて。
主「はい!いただきまーっす!」
燭台切「主は元気が良いね」
皆「いただきます!」
全員が一口食べた瞬間、頬が落ちる程の美味しさに歓喜したのは…言うまでもない。