第21章 大切だったのは
でも今君は俺のことが好きだと言った。
あんなに近かった君が
いつの間にかすごく遠い存在だった君が
今、腕に中にいてくれる幸せ。
「…ねえ、ほんと?」
…嘘じゃ、ないよね?
夢じゃないよね?
「ふふ…、そんな恥ずかしいこと
ジョーダンでなんか言えません」
「…じゃあ、…もっかい言って」
君の言う、" 翔君 "が
ずっとずっと好きだった。
「あ、えっな、にを」
「さっき言ってくれたやつ。
できない?じゃあキスする」
「えあ、な、なんで」
「なんでって、したいから」
「言える!言うから!ま、まって!」
「ふふ、はいどーぞ」
コホん、と咳払いをする君が
「…翔くん、好き、です」
「はい、よく出来ました」
可愛くて可愛くて可愛くて
どうしようもなくって
我慢してたけど
我慢できずに
ご褒美という名のキスをした。
「!しょ、しょうくん…!」
顔を真っ赤にする君、
こんな顔見たことない。
やだー、すげぇ嬉しいんですけど。
「あはははは、もお、大好き」
今日から" 翔君 "の次に変わる
好きな言葉ができた。
もう" 幼馴染 "なんて居場所はいらない。
君の声で
その言葉が聞けるなら。
FIN.