第7章 旅行
「はぁ……楽しかったぁ…」
わたしはフラフラだ。ベンチの椅子に座れば、田中先生がお茶のペットボトルを買って来てくれた。
「ったく、なんつーもん作るんだ、信じられねーぜ。クソ恐ぇし」
あ。終わったとき、普通の顔してたから大丈夫だと思っていたが、違うかったようだ。
「健斗さん、ありがとうございます」
お茶を受け取り、ゴクリと喉を潤した。楽しかった。しあわせ。最高だ。もう一度乗りたいなんて言ったら怒られそうだからやめた。
「俺もくれ」と言うととなりに座って、ペットボトルに口をつけて飲んだ。
あ、間接キス。なんて言う子どもみたいなことは言わない。次に乗るアトラクションのマップをわたしは探した。
なにがいいだろうか。地獄の絶叫タワー。高さ80メートルから急降下する人気アトラクション。これいいな。最高だよ。
「市川」
いや待って。
クレイジー逆バンジージャンプ!?
下から上に飛ぶやつでしょ。テレビでやってた。20メートルの高さまで吹っ飛ぶ。だなんて。さいのこう。最高!!
「聞いてるのか、おまえは」
ピシッと頭にチョップが落ちた。え。
「なんも聞いてませんでした。なんでしょうか?」
わたしはマップから先生に目を向けると、半眼な顔だった。ため息もついて。なんだろう。怒ってる?