第1章 ハニー・ヌードショー
「あっ…!」
しかし物を言おうとした瞬間、唇はカメラマンに奪われた。
ちゅっちゅっと音を立てられ、ディープキスをされる。視界の端にはハンディカメラが見え、カメラマンは自分と彼女とのキスを器用に撮影してるらしい。
「んっ…ふ…」
必死にその人の唇から逃げようとするができない。
彼女は逃げきれないと悟り、その人の舌を噛んだ。
「っ…!」
その男はすぐに彼女から離れる。その人の口からは、ぽたぽたと血が垂れ落ちていた。
客席から「フゥー!」という声が湧く。
「なかなか元気のいい女だな。気に入った。」
彼女の食事に一服盛ったスーツ姿の男が現れ、台車がその男へと向けられる。その男に股を開いている状況に耐えられず、彼女は客席とは逆に顔をそむけた。
だがその顔は他の男の手によって客席側に向けられる。
強制的に客席に目を向けられ、全く知らない人間と目が合ってしまった。すぐに彼女は目を閉じる。
「あっ…!?」
秘部に違和感が走る。
思わず確認しようと目を開けるが、顔の向きは固定されていて確認できない。ただ視界の端にスーツ姿がちらりと見える。
そのスーツ姿の男の腕が真っ直ぐと彼女の股に伸びているのも…。
その指はゆっくりと割れ目をなぞり始める。
「やだっ…助けてっ…」
彼女は思わず呟く。『その人』に。
しかし、指は無情にうごめき続けた。