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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第64章 戒めて※




「・・・・・・ッ」

何て言えばいい。
何と言えば正解になる。

単純な答えは出ているけれど、本当にそのまま答えて良いのか。
それは自分の中にある黒い部分が邪魔をしているとも言えて。

「・・・零に、任せ・・・」
「却下。僕はひなたにどうしてほしいか聞いたんだ」

どうやら逃げ道は無いようで。
違う逃げ道を作ることはできるけど、それではこの疼いた体を沈めることも、ここまで来た意味も無い。

言うしか、無い。

「・・・い、入れて・・・欲し、い・・・」

蚊の鳴く様な、か細い声。
そんな声でしか言えなかった。

「聞こえなかった。もう一度」

意地悪だと目で訴える為に彼に視線を向けるが、そこにはそんなものに動じない表情が浮かべられていて。

その笑顔が・・・この上なく、意地悪で。

「い・・・っ、入れて・・・!」

もう引き下がったってどうしようもないのだから。

「何を?」
「・・・零の・・・」

もう引き下がったってどうしようもないのだけど。

「僕の、何?」
「・・・っ」

恥ずかしいものは、恥ずかしい。
この罰は、想像以上にキツイものがある。

「零・・・お願い・・・」

色々と、限界だから。

以前からこの手の類の意地悪には零の甘さに縋りつき、あの手この手で逃げてきた。

「・・・そんな声で言うなって」

故にこの罰は、如何に彼の甘さに訴えられるかになってくると、ひっそり考えを巡らせた。

「手、肩に」

言われるがまま彼の肩に手を乗せると、彼の手が腰を掴み、そのまま体を浮かすように持ち上げられて。

それに釣られて膝をつき、ベッドに立ち上がるように腰を浮かせた。

「そのまま、座って」

そう言ってあてがわれているのは、彼のモノ。

自分から欲しいと言っておきながらではあるが、どうしてこの体制なのかと再び目で訴えた。

「この方が顔がよく見えるから」

優しさの中にも見え隠れするブレない彼の意地悪さに、溜息どころか脳内で拍手さえ出てくる始末だった。


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