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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第64章 戒めて※




「・・・っは・・・」

荒々しいキスが終わると、口から一気に空気を取り込んだ。

その行為から、沖矢さんのキスが少なくとも今は役に立たなかったことを感じながら。

「じゃあ、これから敬語を使ったら・・・所構わずその口を塞ぐからな」

そんな、無茶な。
でも、ある意味それは。

「敬語を使えば、キスしてくれるの・・・?」

そう聞いた瞬間、彼の目が一瞬で丸くなり、動きが数秒停止して。

そして深くため息をついた。

「・・・毎回、どこでそういう返しを覚えてくるんだ」

そう言われて、沖矢さんだと勘違いされているんじゃないかと、また不安にさせたんじゃないかと焦って。

「ち、違・・・、これは・・・その・・・っ」

言い訳なのは分かっているけど、否定せずにはいられなくて。
慌てて開いた口は、今度は彼の手によって塞がれた。

「分かってるから。・・・でも、あまりそう煽られては理性が保てなくなる 」

そう言って、口を塞いでいた手は頬へと滑って。

唇が触れ合うギリギリまで顔を近付けられた。

「気を付けろ」

ゾクッと体に何かが走るような感覚。
それを覚えた瞬間、彼に飲み込まれるようなキスに溺れて。

「ん・・・ッ・・・ふ、ぅ・・・んんっ!」

息なんて許さない、空気を取り込む隙間も無い。
そもそもそういう思考回路が存在していなくて。

ただ零の舌が絡んで、吸いつかれて。
キスだけで快楽の沼に突き落とされそうだった。

「んぅ、んん・・・っ、ん・・・ッ!!」

それでも体が空気を求める限界がきて。
彼の体を軽く叩いてそれを訴えれば、ようやく唇は離れてくれた。

「待っ・・・、零・・・!」
「何を?」

服の下から滑り込む彼の手を押さえ込み、静止を求めた。
ただその理由を求められれば、明確な答えは無くて。

「何を、待てばいい?」

再度、質問が重ねられて。

彼の表情から嫌でも分かる。

これは彼なりの、意地悪だと。


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