第118章 番外２※

「れ、い･･･っ！」

何を掴んでいるのか分からない。
彼の服なのか、ベッドのシーツなのか。

考える余裕すら与えられていないが、どうせそんな余裕があっても思考力は無いも同然で。

「･･･ッ、く･･･」

でも、彼が漏らした艶かしい吐息だけは、耳に届いた。

体に溶けて、沈んで、締め付けて。
捕らえられて、離れられなくなる。

「ッ、ひゃぅ･･･あァ･･･！！」

彼の絞るような声が聞こえた数秒後、一際強く突かれたかと思うと、零の体が小さく震えたのを感じた。

･･･達した、んだ。

こんなにも早く彼が達したのは初めてのことで。
それ程までに彼が苦しんでいたんだということを、痛感した。

「･･･っ、ん･･･」

体の中から零のモノが引き抜かれ、何とも言えない喪失感に包まれて。

いつもの様に急激な眠気に襲われると、力が入り切っていた体は完全に脱力していた。

「･･･ひなた」

瞼は下りてしまって。
彼の冷たい手が頬に添えられたことを感覚で感じていると、体にも別の感覚を感じた。

「！」

太もも辺り。
そこに、何かが押し付けられている。

･･･何か、なんて頭ではぼかしてみたけれど。
それが何なのかは、もう分かっていた。

「だって･･･っ、さっき･･･！」
「･･･１回きりで、治まると思うか？」

･･･後悔はしていない、するつもりもない。

けれど、体力が続くかどうかの不安くらいは、感じても良いだろうか。

「や、ぅあ･･･ッ！」
「･･･ッ」

2度目の挿入にも関わらず、彼のモノは衰えるどころか、更に質量を増しているようにも思えて。

私の中を埋め尽くした瞬間、体は小刻みに震え、軽く絶頂に近い感覚を味わった。

「あまり･･･締めるな･･･っ」

締めたという感覚はない。
私のせいだと言うのなら、それは零のせいだと言い返したいところではあるが。

「だっ、て･･･」

そんな余裕は無い。
それに、久しぶりの繋がりに感じるなという方が難しい。