第115章 番外1※
「ンっ、ぅ・・・」
荒々しい、彼らしくないキス。
この握られている手は、これ以上背中に手を回されないようにする為だろうか。
「っ、は・・・ァっ、んぅ、っ・・・」
深く、思考も体も心も溶かされそうなキスに溺れていると、繋いでいた手は1つに纏められ、彼の空いた片手は胸を包むように添えられて。
そのまま蕾を刺激されれば、先程までの彼のように体がピクピクと反応を示した。
「・・・っ、零・・・ッ」
唇が離れても、蕾を弄る彼の手は止められなくて。
それどころか、そのまま快楽に歪む私の表情を、彼はまじまじと見つめていた。
「仕返しだ」
いつもより少し低い声で。
怒っているというよりは、余裕のないような声色。
表情は必死に何かを抑え込むような、そんな表情をしていたけれど。
私の中のその何かは・・・きっと抑えきれなくなっていて。
「い、ぁああ・・・ッ!!」
・・・彼の舌が、蕾に這ってくる。
ゾクゾクと体の奥底から、震えるような快楽が押し寄せてきて。
苦しい・・・この苦しさは、どうすれば吐き出すことができるのだろうか。
甘ったるい声を部屋に響かせながら、蕾を指や舌で何度も弄られる。
その快楽だけで、達してしまいそうな程。
「零っ、れ・・・い・・・ッ!」
・・・いつもはこんなにも簡単に、快楽に飲まれないのに。
今日はやけに早く飲み込まれている。
それは、恐らく。
・・・はしたなくも、彼の震える体と吐息に、欲情していたからだと思う。
「んっ、ン・・・あッ、いぁ・・・っ!!」
蕾を吸い上げられながら、舌先で転がすように刺激される。
何かを掴みたいのに。
何かに縋りたいのに。
彼の手で拘束されているせいで、それができなくて。
「だめ・・・ッや、あぁ、あ・・・!」
ガクガクと体が震える最中、快楽は私の中で溢れ出て。
「あ、あァ・・・っ、いぁぁあ・・・ッ!!」
今まで、そんな事は無かったのに。
胸の刺激だけで、軽く達してしまった。