第99章 生きて※
「っあぁ・・・ひぁッ、ぅ・・・ぁあッ!!」
彼の言葉通り、これなら簡単に達してしまいそうで。
「・・・ひなたの、その顔がもっと見たい」
恍惚とした表情で見られながらそう言われたが、自分ではどんな表情か分からなくて。
一つ分かるのは、彼以外には見せられないものだということだけで。
「・・・ひゃ、ぅ・・・っ、れッ・・・」
ぐちゅぐちゅと響く音に耳を塞ぎたくなる。
彼は見せてほしいと言うが、酷いであろうこの顔を覆いたくなる。
でも、そんな余裕は勿論無くて。
「零っ、も・・・ッ」
イキたい。
今はそれしか考えられない。
ただ貪欲に彼の腕の中で、腰を上げて落とす。
その行為に羞恥や背徳感は勿論ある。
けれど、それを薄めてしまうくらい、快楽が大き過ぎて。
やはり私は、こうなれば酷く動物的で。
「・・・零、ッ・・・!!」
「っ・・・」
彼の喉の奥で詰まる声が引き金になるように、ドクンと体全体が脈打って。
「ひ、ぁ・・・っあぁぁ、あ・・・ッ!!!」
ビクビクっと体を痙攣させながら、自分で果ててしまった。
一度果てた体は鉛のように重く、指一本を動かすのも億劫で。
ぐったりとした体を彼に寄りかからせては、定まらない呼吸を繰り返した。
「大丈夫か」
「・・・ん」
情けない声で短い返事をするが、瞼を上げる事もままならなくて。
寄りかかった彼の体温が心地良く、眠気を誘う。
・・・今眠れれば心地は良くても、目覚めは良くないだろうけど。
「っ、・・・!」
ぐったりとしていた体は彼と繋がったまま、再びベッドに転がされて。
「もう少し、見せてほしい」
何が、なんて言わないけれど。
さっきの表情だということは分かっている。
彼が私に覆い被さりながら顔を近付けてきて。
敏感になっているナカで彼のモノの角度が変われば、それだけで十分過ぎる刺激だった。