第2章 : 1st
戸を少しだけ開けて向こう側をうかがうことにした
スー…
開けた時にはもう遅かった
「「みーつけた」」
『ひぃっ!!』
少し開けた隙間にはたくさんの白い手がかかって
どんなに頑張って戸を閉めようとしても
そのたくさんの白い手には勝てっこなかった
「「うまそうな娘…お前を喰ってやる」」
私の目の前には大きな化け物がいて
私は恐怖で腰が抜けてしまった
「蒼!!
こぉんの化け物めっ!!
わしの孫に手をだすなあああああ!!」
ちょうど帰宅したばば様が鬼のような形相をして
採ってきたと思われる私の大好きなみかんを投げつけた
そしてどこからか刀を取り出し化け物と戦っていた
「蒼!逃げなさい!!
どこまでも遠くへ、決してもどってきてはいけないよ!
いいかい?!ばばとのお約束だ、それはよーいかんか!!!!」
私はばば様を置いていくことためらったが
ばば様の声で嘘みたいに立てるようになり、その場から逃げた