第7章 ◎異変
雅紀の家から出て、
ドキドキしてる胸を抑えながらも、
裕典に電話した。
あのプロポーズの返事、しよっかな…
なんか今日じゃないとダメな気がする。
じゃないとタイミングを逃してしまって、
それでまた私は違う人を思い浮かべる。
そしたら歯車が合わなくなっちゃって、
〈もしもし、?〉
なんて考えてたら裕典が電話に出て、
私の名前を呼んだ。
「あ、今から裕典の家に行くところ
なんか持ってこうか?ビールとか……裕典?」
あんまりにも無反応だから、
思わず裕典の名前を呼んでしまった。
〈……ご、めん!当直入ってさ!
なんか代わってほしいって頼まれたんだ。〉
「え?あ、そうなの?……そっか」
〈う、ん。また今度な?ごめん〉
「うんん。いいよ、大丈夫。わかったよ」
そう言って静かにスマホを鞄に入れた。
'異変'
それは心をざわつかせるものみたい