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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


撮影、メイク直し、撮影…と繰り返して夜はまた移動して夜景と雪を背景に撮影を進めていく。

今日のすべての工程を予定通り撮り終えて、ホテル内で全員で食事を摂って部屋に帰ってきた。

お風呂で温まらないと凍えそう。
北海道の人たちはどうやって日常を暖かく過ごしてるのか知りたい。


明け方からの撮影に合わせて起きたせいかお風呂から上がるとすぐに眠さが襲ってきてあっという間に眠ってしまっていた。


翌日からの撮影も順調に進んで最終日は雨が降っちゃったけどそれもまた綺麗だからってことでスケジュールの変更なく東京に戻れそうだった。

最終日の撮影をすべて終えてフライトまでの時間が少し空いたから、みんなでおいしいものを食べて帰ろうって市場みたいなところに海鮮を食べにきた。

“ねぇあれキセリョじゃない?”
“こんなとこいないでしょー”
“絶対そう!あたし声かけてみる!”

キャッキャと話す声が聞こえて隣の黄瀬君を見るとちょっと笑ってる。

仕事で来てる時は基本的にファンサービスも断わらない黄瀬君だからたまにSNSとかで居場所がバレちゃう。

「あのっ!黄瀬さんですよね?」

「うん。そっスよ」ってモデルさんの時の顔

「ファンです‼握手してください‼」

「ハイ」って手を差し出して丁寧に両手で握手してあげてる。

「お写真撮ってもらえませんか?」

「もちろんッス!」って言ったから隣にいたあたしが撮ろうと女の子たちのスマホを借りたけど、一人の子の眉がちょっとズレてて眉尻が消えかけてるのが見えておせっかい心が顔を出す。

「黄瀬君ちょっと待って」

「どうしたんすか?」

自分のメイクポーチからアイブロウを取り出して女の子に近づくとすっごい変な顔された。

「眉だけちょっと直させてね。せっかく憧れの人と撮れるなら綺麗に撮れた方がいいと思うんだ」

「あっ…オネガイシマス」

そう言って笑ってくれたから、ささッと眉毛を直して写真を撮ってスマホを返すとすっごく喜んでくれた。

礼儀正しく「お休みのところすみませんでした。ありがとうございました!」って頭を下げて“キャー‼”って言いながら走って人込みに消えていった。


美味しいエビも堪能できたし少し落ち着く時間も作れたし北海道に来てよかった。


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