第8章 それぞれの場所
sideさつき
向こうも3人で、あたしと美緒に声をかけてきた二人はあからさまだったけど、もう一人がみさきを見てニヤついてたから、あたしの後ろに隠したら、その直後に美緒の冷たい声が響いてやっといなくなってくれた。
さすが美緒…
向こうが朝になった時間を見計らって、美緒がきーちゃんと連絡を取ってスカイプすることになったけど、きーちゃんのパソコンが調子悪いからって大ちゃんのスカイプとつなぐことにした。
みさきのアカウントを教えてスカイプを繋げると美緒を見て絶句してるのかモデルとは思えないデレデレ顔で「こんど俺の前でそれ着て」とか言ってる。
あたしもいるんですけど完全に見えてないよね。
「テツ君♡似合う?」
「とってもかわいいです。黄瀬君どいてください。さつきが見えません」
「来年は一緒にハロウィンしようね」
「「もちろん(ッス)」」
「大ちゃんは?」
「寝てます。火神君ならいますよ」
「桃っち、火神っちと変わるからみさきっち呼んで欲しいっす」
あたしがみさきを呼んでみさきが少し画面に映るとテツ君が「青峰君起こしてきます」って言ってくれた
かがみんと26か27で言い合って犯罪とか言ってたのに大ちゃんの声が聞こえた瞬間みさきが黙った
そして、みさきを見た大ちゃんは照れてる。
色黒で分かりにくいけどちょっと横向いてるからあたしには分かる
大ちゃんがみさきに話しかけるとたどたどしく返して真っ赤になってる。
お酒を持ってきてるくせに「飲み物取ってくる」とか言ってキッチンに逃げたみさきを見て大ちゃんがかがみんに「みさき脚長いな」とか言ってる
“みさき”って呼んでるー!!!
あたしも美緒も顔を見合わせてニンマリが止まらない。
「もうお前らいいからみさき呼べ」
みさきが見えなくて不満そうだから、仕方なく呼んであげた
てか、なんでお互い気づかないの?
分かりやすすぎてかがみんも笑ってる。
ネクタイが大ちゃんのだってバレてみさきがびっくりして
高2から突然モテ始めて部活中とかに何回もネクタイ盗まれるからおばちゃんに怒られて、体育館までネクタイ持ってきてたなって思いだして笑いがこみ上げた
みさきのネクタイに満足そうな大ちゃんを見て美緒とソファに移動してハイタッチ
「成功したねっ!」
小声言い合って笑うときーちゃんの叫び声が聞こえた