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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


『おはようございます。お久しぶりです』

『おはよう。久しぶりのNYは楽しめてる?』

『大好きな街なのでめちゃくちゃ楽しいです。時差ぼけ大丈夫ですか?』

『全然平気よ』


さすがBOSS

昨日オーストラリアから帰国したばかりなのにもうこっちでの仕事に切り替えてると思うとホント尊敬



パットは所謂“おかま”なんだけどメイクの世界では知らない人はいないくらいの超重鎮

パットの常識がメイク界の常識って言われるくらいの存在



なんでそんな人の弟子になれたかはまた今度話すとして…

コレクションの資料とメイクの細かい打ち合わせを車内でして移動時間すらも無駄にしない



それぞれのブランドコンセプトに沿って自分のイメージが間違った方向に行ってないか確認させてもらう

『ここは色を使わず陰影を強くして…メイクでもテーマであるモノトーンを強調していきます。白人モデルならアイカラーもリップも黒、黒人なら白を使ってはっきり色分けした方が統一感もあるし一気に目を引いてコレクションを盛り上げる起爆剤にもなると思うんです』

『そうね。メイクはあくまで補助的とはいってもトップは目を引くものがあってもいいわね。ブランド側からOKが出ればそれで行きましょう』


NYはとにかく道が混んでいて距離的にはそんなにないのに到着まで1時間はかかったから打ち合わせも密にできた



会場に着くとステージの打ち合わせや音響、ブランド担当者はいたけど後はまだ誰も来ていない

BOSSは自分がどんなに有名になって評価されるようになっても自分のスタンスを絶対変えない


入りは他の人より早く

その会場の温度、湿度、雰囲気を体で感じて最適なメイクを提案して作る

必要があればスタイリストのところにも行ってメイクと服のバランスを自ら確認する


続々と関係者が入りだしBOSSのメイクの準備を整える

今回は補助的に参加させてもらっているから実際メインで仕上げさせてもらえるモデルがいるかはわからない

このリハでもし誰かが気に入ってくれてBOSSからOKが出れば本番でもやらせてもらえる


メイク全員でのミーティング


パットは今回のコレクションのメイクの総責任者で弟子のあたしがBOSSの顔に泥を塗るわけにはいかない



今まで感じたことのない緊張の中で次々と話が進められた
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