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最愛 【黒子のバスケ】

第24章 ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ


side青峰

NBAで点を稼ぐようになってから毎年のようにあった移籍の誘い

キャブスが弱いって訳じゃねぇけどPFの選手層は厚くはなくてアクティブが当たり前だった

俺を加入させてくれてNBAのコートに立たせてくれたキャブスにはすっげぇ感謝してるしチームの奴らのこともすげぇ好き

特に兄貴みてぇなあいつのことはめちゃくちゃ尊敬してるから敵になんのはなんとなく嫌だった


けどそれが甘さでもあった


このままキャブスにいりゃ居心地もよくて気を抜かなきゃアクティブでいられる


移籍を考えてはいてもいまいち踏ん切りがつかねぇって時にみさきと知り合ってみさきの仕事ぶりを見た


……移籍しねぇなんて答えは出なかった


厳しい中に自分を置いて誰よりも自分に厳しいみさきを見てここで満足しちまったらダメなんだってことに気付かされた。


厳しいとこに行かねぇといい景色は見れねぇ


キャブスへの加入が決まった時のことを思い出したような気がした。

入ったばっかの時はスタメンではねぇけどアクティブになってコートに立つのがやっとだった

けど、初めてコートに立った時のあの景色はいまだに覚えてる


全身に鳥肌が立ってアドレナリンが吹き出すあの感じ
本気でやるしか選択肢のねぇあの状況
思う様に体は動いてくれねぇのにここに立ち続けてぇって気持ちが沸き上がった


だから俺は一番PFのポジション争いが厳しいレイカーズを選んだ

『そこで出れねぇなら俺が甘いってことだ。俺はNBAのPFの頂点になる。そのための移籍だ。キャブスでもレイカーズでもやることは変わらねぇ』

『レイカーズでも…絶対試合出てよ‼‼‼』

『あぁ。分かってる』

『絶対絶対チャンピオンになってよ‼』

『あぁ』

『………じゃあ……サインくれる?』


“じゃあ”ってなんだ(笑)
しかもまだ不貞腐れたような顔してて、それでも俺を応援してこのチビなりに俺の考えを理解してくれてんだと思うとやっぱ中途半端ではいられねぇ


必ずチャンピオンにならねぇと…


キャブスのTシャツに俺のサインをするとやっと最初と同じように笑ったけどまた憎まれ口を叩いてきやがった


『なんで15にしちゃったんだよ。005のままでよかったのに。せっかくダイキと同じ番号になれたのに…』



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