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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


「こっちの部屋からだと橋は見えねぇけど…違った景色で綺麗だろ?」



青峰君は扉を閉めることもベッドに向かうこともなくあたしをまっすぐに窓際に連れて行ってくれた





青峰君はあの人とは違う



「ホントだ。お部屋広いといいね」

「泊ってくか?」

「エンリョシマス」

「ははは!分かってる」


言い方から冗談だって分かってるのにドキドキして返事がおぼつかなくなって


でも青峰君は笑ってくれた


ずっと腰を支えてくれている大きな手から服越しに熱が伝わって全身の血が沸騰しそうなくらい恥ずかしいのにその温度は温かくて心地いい


「なぁ…」




_____________ピンポン





青峰君が何か言いかけたけどその瞬間チャイムが鳴って何を言いたかったのかはわからなかった


ウエイターを出迎えるために青峰君があたしから離れたことで離れていくさっきまで腰にあった暖かさ

それがないだけで寒いなんて気のせいだって分かってる


腰に腕を回されたのなんて青峰君が初めてだけどあたしはあの腕が好き

温かくて逞しい青峰君の腕はあたしを押さえつけたり恐怖に陥れたりしないんだって事だけは確かだった。


ウエイターが出ていく音でベッドルームから出るとテーブルには美味しそうなエビが並んでふわふわと湯気を立てながら匂いであたしを誘惑する


「美味しそう!」

「食おうぜ」

「うん‼」


きっと青峰君もお腹ペコペコなんだ


いくつものお料理を取り分けながら一緒に食べてシャンパンもまた飲み始めた


なんでも頼んでいいって言ってくれたからコースとか種類は全く無視して本当に食べたいものだけを頼んだ


中華もフレンチもごちゃまぜ。


シェフが見たらちょっとがっかりしちゃうかもしれないけど好きな物だけを食べられて幸せ

くらくらするほど回っていた酔いも冷めて心地よくほろ酔い

お酒には弱くないけどさすがに空腹にシャンパンは無理。
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