第7章 近づく距離

side青峰

ハウスキーパーにはネロも懐いてて可愛がってもくれてるから信頼できるし、短期間なら多めにチップを渡してネロの世話も頼むと快諾してくれる。

そして自分が帰るときはネロを一緒に連れて帰ってくれるから、短期の不在の時は頼んでて今回も承諾してくれた




黒須を迎えに行くためにフライトを取った


女を迎えに行くためだけにNYに行くことがあるなんて思ってもいなかった

JFK空港に降りてレンタカーを借りてから空港で少し待つと、電光掲示板に黒須の飛行機が到着していることが表示された

そして、少しして黒須からも到着したことを知らせるメッセージが入った。


1か月振り…か…

もうすぐ会えると思うと自然と口元が緩んだ
柄にもねぇけど俺は黒須に会えんのがすげぇ楽しみだった

タキシードを今日受け取っても黒須の仕事が終わったら飯に誘うつもりだった。



抱き合ったりキスしたり再会を喜ぶ奴が何人も通り過ぎる中黒須の姿が見えねぇ


ビジネスクラスならもう出てきてもおかしくねぇのに全然来ねぇ…



JFKでいいんだよな…？
さつきの聞き間違いとかねぇよな!?


不安になってスマホで連絡しようとしたときパタパタと足音が近づいてきて顔をあげるとずっと見たかった顔が見えた。



すげぇ会いたかった


機内でリラックスできるようになのか、長い丈の薄手のワンピースだったけど細い体に沿ってて色っぽかった


待つのは好きじゃねぇけど黒須ならいくらでも待てる。



ロスバゲのせいで遅くなったのに自分が悪いかのように謝ってて、別に迎えだって頼まれたんじゃなくて俺が会いてぇから来ただけなのに


ロスバゲしたけど仕事には差し支えねぇって聞いて、意外としっかり者なとこがプライベートとはギャップがあってまた惚れた。

プライベートの黒須はどう見てもやり手には見えねぇ
どっちかっつったらおっちょこちょいな感じがする