第6章 私の先輩のためですから!
月が空高く昇っておりますが、私は部室の床に正座させられています。隣では伊豆先輩も正座してます。
「なんで正座させられてるかわかってる?」
すっかり服装を正した桃浜先輩が、私と伊豆先輩を見下ろして立っていました。
「私たちがチョーシこいたからです…」
「すまん…」
怒ってる桃浜先輩怖い…でも可愛い…。
「ちなみに桃浜先輩、どっちの手の方が気持ちよかったかだけ教えて貰えます?」
「おお、オレも気になる」
「キミたち全然反省してないね?」
やん、ギロッて睨まれました。
だってだって、私は桃浜先輩に選んでもらいたくて必死なんです!
「ハァ…。ていうか萌ちゃんは、私のことが好きだったわけ?恋愛的な意味で?」
「ハイ!初めてお会いしたその日から、私には先輩しかいません!」
「オレも!初めて会った日から」
「伊豆くんちょっと黙ってて」
桃浜先輩は深くため息をつきました。
「で…。2人とも私と付き合いたいから、お互いが邪魔ってことね…」
「桃浜先輩を私だけのものにしたいのは山々なんですけど、でも男の人に無理やりされちゃってる桃浜先輩の姿が見たいのも有るんですよねえ」
「桃浜は優しいからな…後輩の頼みをムゲにはできないだろう。だから桃浜が四谷とどうこうすることについて、オレは何も言わない。そんな桃浜が好きだからな」
桃浜先輩は「ハァ!?」って顔をしてました。