第4章 嘘で塗り固めたもの
宮地さんより先に多目的に着いた私は笑顔の練習と宮地さんに言わなきゃいけないことを整理した
ガラッ
戸が開く。宮地さんだ。
「なんだよ?」
「ゲームだったんですよね」
「...は?」
(ごめんなさい。宮地さん。嘘です。大好きです
高校に入ってから貴方のことしか頭にありませんでした)
「何言ってッ」
「無理ゲーでした」
(そんな顔しないでくださいよ。お願いです。
希望はもう要らないんです。)
「要らなかったら捨ててもらって構わないんで」
(本当は美味いって言って欲しかった。
不器用な優しさが、愛の篭もった暴言が、笑顔が、大好きでした)
呼び止める宮地さんを無視しして戸を閉めた。
それと同時に走り出してトイレに駆け込んだ。
涙が溢れる前に。声が出てしまう前に。
「ふっ、、うぅぅ、、ヒック、、、ううう、グスッ」
(ちゃんと笑えてたかな。ちゃんと嫌われたかな)
「ふっぅ、、、、ぅぅぅ。」
何分ほど泣いたのだろうか。
目は真っ赤だし、泣き後もくっきりと残っている
(委員会の仕事あるし戻らなきゃ)
ゆっくりと教室にもどった