第6章 MMDネタ
明希視点
某月某日
任務が終わって支部に戻って来ると、栞と桐絵が同じスマホを眺めながら何かを見ていた。
「何見てるの?」
「明希ちゃんおかえり〜」
「明希!おかえり!今ね、コレ見てたの!」
そう言ってスマホを僕に見せる。
映っていたのは最近流行っている踊ってみた動画だった。曲は「極楽○土」で、踊っている3人の衣装はとっても綺麗な和テイストだった。
「踊ってみた動画ね。今かなり流行ってるよね」
「そうなの!私も友達に勧めてもらって見てたんだけど、これすっごく気に入っちゃって!」
少々興奮気味の桐絵をどうどうと落ち着かせる。
「でね、さっき二人で話してたんだけど、三人で踊ってみない?」
「三人って言うと…この三人だよね?」
「当然よ!ポジションはやっぱり明希がセンターがいいと思うの!」
「え」
「私が左で小南が右って一応決めたんだけど、どう?」
どうと言われても、僕に拒否権は無いんだろうしなぁ。
「あ、カメラと音源と衣装はどうするの?」
「全部用意済みなのだよ!撮影場所は訓練室でこっそり!編集は私に任せて!衣装は制服でいいかなって!どうせここだけのもんだし」
「あ、うん」
僕の疑問は栞が解決。撮った動画はここで上映会でもするらしく、懸念材料は何もない。
「そこまで揃ってるならいいよ。面白そうだし」
「「やったー♪」」
早速今日から練習が始まった。
各々で自分のポジションの踊りを覚えて、粗方踊れるようになったら三人で合わせる。これを約1週間で終わらせ、完璧に合うまで繰り返すこと三日で、全て踊れるようになった。
「踊れるようになるまで結構早かったわね」
「もうちょいかかるかと思ってたけど、案外慣れたら早かったね」
「細かい所の調整まで出来上がるって、大分早いよね」
口々に早かったね〜と言い合いながら、サクサクと撮影準備を進める。
カメラ・音源の設置が完了し、いよいよ撮影が始まる。栞が録画ボタンと音源の再生ボタンを押して位置に着くといいタイミングで曲が流れ始める。
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♪〜♪…
最後のポーズをとって曲も終わった二秒後。
「「出来たー!」」
と両サイドから歓声が上がった。
僕も達成感で思わず二人に抱き着いた。
「二人共おつかれ」
「明希もね!」
「お疲れ様!さて、早速編集だ〜♪」
栞の元気な声に引かれながら、僕達は訓練室を後にした。
