第19章 記憶
「カカシ、…なかに出したら……赤ちゃんできちゃうよ?」
小さかったから、ピルなんて飲んでない。危ない日だったらどうするの。
カカシは、私の頬にキスをして、
頭を撫でて、目を緩めた。
「ふふ、いいじゃん出来ても。オレは大歓迎なんだよね」
湯船のなかに
カカシと抱き合うように入ってる。
彼の膝の上に、またいだ姿でいるんだけど、とにかく恥ずかしい……。
先ほどから膣壁がひくひく痙攣している。中が脈打つたびに足のつま先まで刺激が伝わる。まだ身体は余韻が残っているのだ。
「なか、ぬるぬるしてる…」
「悪い、いっぱい出ちゃった」
私が言いにくく喋るのに、カカシは
あっけらかんとしてる。全然平気な顔で。
「で、できたら本当に大変なんだよ? 赤ちゃんのやつ、いっぱい買わなきゃいけないし…」
と、不意に目の端に
黄色いモノがみえた。
湯船のはしに置かれたおもちゃ。
黄色い小さなアヒルが
大量に積まれる。
私は手を伸ばした。
「カカシ、これなに?」
2、3匹、手にとって、
ぷかぷか湯船に浮かべてみた。
赤い小さなクチバシや
おしりがかわいい。
「お前が遊んでたおもちゃ。買ってあげたヤツ。お前の顔見てたらねー、なんでも買っちゃうんだよね」
カカシは黄色いアヒルを手に取り、口を緩ませた。優しい顔をしている。お父さんみたいな表情で。