第16章 小さな手
「カカシ……」
下から見上げるパックンと
目が合い、カカシは服を脱がせた。
「あ、悪いパックン。 残りの任服も、トートバッグに入れておいてくれる?」
コートのみにして、床に任服を落としたカカシ。寒いだろうが致し方ない。首に絡まったりしては大変だ。
「任せろ」
パックンは、口で次々と拾い集める。トートバックの中に任服を入れていく。靴は足底を合わせて他の服が汚れないように入れた。
落ちていた服や靴をぜんぶ入れたら、膨らんでこれ以上入らなくなった。ただし下着は外からは見えない。
カカシはバックを確認して、視線を三代目に戻した。
「三代目……、マズいですよ、コレは……」
どうするんですか。
カカシの顔と声は強張る。
「…う、うむ。 危なかったな。 20歳ぐらい若返るということか……」
三代目は現実を
受け止めれていない。
カカシは続けた。
「花奏だから良かったものの……テンゾウやイタチだったら消滅してましたよ」
歳下のテンゾウやイタチ。跡形もなく消えていた。
コンコンコン……
突然ノックの音が聞こえ、
カカシは振り返った。