第15章 突然
「で、では……本当の2人は……」
私は我慢出来ずに発言した。もし生きているのならば助けたい。
私の顔を、じいっと見つめた猿飛様は、静かに首を横に振った。
「まだ見つかってはおらぬが……。もう手遅れじゃろう……。どこかで殺されてる。雪ノ里の忍は容赦ないと有名じゃ。 そう考えれば筋は通るだろうて……」
三代目は、沈んだ声を出されてこめかみに手を置いた。しばらく沈黙のあと、カカシが口を開いた。
「脅威は、『変幻丸』を使えば、チャクラを使わずに変幻が出来る。変幻が解かれる心配もない。さらに死後も姿は戻らない。そのせいで発見が遅れてしまったことですね。 今後も使われてしまえば、木ノ葉を脅かすモノになる」
カカシは顎に手をのせる。三代目は静かに頷いた。
「そうじゃ。たが……これは、まだ完成品ではなかろう。調合が難しいからな。 捕まってしまえば、身元を把握されてしまう欠陥品じゃ」
「……では木ノ葉も至急対策を……」
カカシが言おうとすれば、
三代目が言い放つ。
「もう開発部に回しておる。 完成次第、お前らには実験体となってもらう予定じゃ。 良いな?」
三代目は目を薄めて
不敵な微笑を浮かべた。
「……は?」
素で私は返答していた。
なんだと、このジイさん。
「や、ややだなー、三代目ーー、ご冗談が上手くて困りますよー??」
あはははー、なんて笑い話にしようとしてるのに、猿飛様の目は本気だ。マジだ。ダラダラと変な汗が流れた。
「今回のカカシの身勝手な行動。花奏の危機管理の無さ。それが今回の事態を招いたのじゃ。カカシよ、受けるならば懲罰は避けてやろう」
威圧的な目と嗤う口が正反対だ。猿飛様が恐ろしい。カカシは諦めた表情で首をかいた。