第24章 姉弟恋愛*朝日奈風斗[ブラコン]
陽出高校の制服を着た彼。
彼との出会いは未だ鮮明に覚えている。
私がこの家にやってきたのは親の再婚が理由だった。
突然できた13人の兄弟。
しかも全員男。
彼氏はいるが、それでも男性の免疫が高いとはいえない私にとって、衝撃的な出来事だった。
そして、もうひとつの衝撃的出来事が彼との出会いだ。
「へぇ。あんたがボクの姉さん?」
高校生の彼は、初めて会うのにそれはよく知っている顔だった。
「あ、朝倉風斗くん?!どうしてここに…?」
そう。テレビでよく見る彼。
forrteというグループで活躍するアイドルだ。
「はあ……あんた、バカなの?それとも、ボクは家に帰ってきちゃいけないわけ?」
「え、嘘…まさか…!」
「本名は朝日奈風斗だけど?」
…アイドルが兄弟だと…!
風斗くんはまるで私を品定めするかのように観察し始める。
その視線に、私は硬直した。
眺め終わるとニヤリと笑った。
「あんたなかなか可愛いね。……これからよろしくね、姉さん。」
その小悪魔に、私は言葉を失ってしまった。
そしてここから私の苦悩の日々が始まったのだ。