第15章 Moon Light*美風藍[うたプリ]
私と藍君が付き合い始めてはや一年。
私たちは幸せな日々を過ごしていた。
…今日、幸せの日々が終わるなんて知らないで。
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「こんにちは。」
博士に呼ばれて、研究所にやってきた。
「今日はなんのご用ですか?」
いつもより暗く、沈黙を破ろうとしない博士に不安を感じた。
博士は、はぁっと大きく息をつくと、真っ直ぐにこちらを見る。
「…単刀直入に言おう。君には選んでもらわなければいけないんだ。」
「……」
この先は聞いてはいけない気がした。
聞いてしまっては何かが壊れる。
でもそれは述べられた。
「…藍と別れるか……藍を殺すか…」
(っ!)
その言葉で全てを理解した。
「つまり、このまま私と居続けたら藍君は壊れてしまう。…急激な成長が原因で。」
「ハハッ。さすがだね。藍が惚れるのもわかるよ。」
その乾いた笑いは真実であることを伝えているようだった。
私はギュッと唇をかみしめた。